ファイブロネクチン、ヒト血漿由来
ファイブロネクチンは血漿中に存在する巨大な糖タンパク質です。
分子量は約250KDaであり、可溶性の2量体として存在しています。
肝臓の肝細胞によって合成され、血漿中の主要なタンパク質成分(0.3mg/mL)の一つです。
in vitroにおいて細胞接着分子として細胞の接着、成長、移動、分化を促進します。
細胞培養容器のコーティングに使用されます。
本製品は、ROUSLAHTI et al.の方法1)により血漿より精製されています。
0.2μm滅菌フィルターでろ過されている無菌溶液です。
参考文献:
1)Ruoslahti, E. et al.(1982) Methods in Enzymol. 82. 803
主な使用細胞種
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繊維芽細胞
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肝細胞
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神経細胞
【製品規格】
材料:ヒト血漿
精製方法:Ruoslahti et al.の方法1)による
(ゼラチン アフィニティー法:当社標準法)
濃度 :0.5 mg/mL
*濃度{E(1%,280nm,1cm)=12.9を用いて算出
容量 :2.0 mL/本
溶液 :0.45M NaCl,20mM Tris-HCl(pH7.0)+ 12% Glycerol
無菌化 :0.2μm滅菌フィルターで濾過滅菌
保存 :-20℃ 以下
【取り扱い上の注意】
●激しく攪拌しないで下さい。
ファイブロネクチンは性質上攪拌により塊を作りやすくなります。
融解は、室温で静置して行って下さい。
●本製品は、ヒト血漿を材料に用いております。
材料入手時に、HBsAg,HIV-1Ag,Anti-HIV-1/2,Anti-HCVが陰性である
ことを確認していますが、未知の病原性を有する危険性を考慮し、
取り扱いには充分ご注意下さい。
SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(Laemmli法)
非還元の系により目的バンドを確認。
還元の系では断片化の程度を確認。
ファイブロネクチンのコーティング例
1. ファイブロネクチンをPBS(Ca、Mg不含)で目的濃度(5~30μg/mL程度)に希釈する。
2. 細胞培養容器に添加する。
3. 37℃で2時間~一晩又は4℃で一晩静置する。
4. コート溶液を除去する。
5. PBSで2~3回洗浄する。